異世界転生~姫の中身はおっさん~

繋いだ手を、そのままに

気付くと、俺は元の体に戻っていた。

ここは、病院だろうか。死んだはずなのに、生きていたのか。

「シルルアージュは・・・」

点滴の管が、右手に刺さっていた。

「そっか・・・・全部、夢だったんだ」

ナルドとのキスを思い出す。

手で触れてみると、かさかさに乾いた唇がそこにあった。ベッドから起き上がり、鏡をみる。

45歳の、もさい顔のおっさんが、そこにはいた。

「夢か・・・・」

夢にしては、妙にリアルで生々しくて、長かった。

元のちょっと太った体の45歳のおっさん、石切和人こと俺は、椅子の上にひったくられたはずのバッグが置いてあるのに気付き、それに飛びついた。

「金!」

中身を見ると、両親の生命保険の金がそのまま入っている。

安堵した。

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