異世界転生~姫の中身はおっさん~

運命の人

夢を見ていた。

「私の名はナルド。覚えているかな?」

なんだよ、それ。

覚えてなんかいねーよ。

「今のお前の名はシルルアージュ。でも、魂はアイリーンだ。姿形もアイリーンだ」

アイリーン?

誰それ?

「私が唯一愛した人間の少女の名前だよ」

はぁ。

ところで、あんた誰?

「ナルド。忘れないでくれ。ナルドだ」

なるど。

マクドナルド?

おいしそう。

あのジャンクフードは体に悪いけど味は一品なんだよな。もしも地球に戻れるのだとしたら、もう1回だけでもマクドナルドにいきたい。

「マクドナルド?違う、ただのナルドだ」

俺の心の声に反応して、声の主は姿を現した。

二十歳前後の青年だ。

今まで見てきた誰よりも美しかった。血の色をした真紅の髪。珍しい銀色の瞳。白い肌。

最初、女かと思った。

でも、身にまとう雰囲気とオーラと、切れ長の意志の強そうな瞳が、彼が男であるのだと主張していた。

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