5人の王子と氷姫 ー悪魔の爪跡ー

第二十章 ホーエンツォレルン城にて

次の日、僕らはホーエンツォレルン城へ向かった。

晴天。

青い空と白い雲。


南ドイツのシュヴァーベン高原。

緑の絨毯のような麦畑が広がる。

遠くに小さな山。

その山頂に建つネオゴシック様式の城塞。


ホーエンツォレルン城。


ノイシュヴァンシュタイン城、ハイデルベルク城と並ぶドイツ3大名城の一つ。

まるで、ファンタジーの世界にいるような美しい城。


写真では見た事あった。


でも、実際来てみると、その重厚感、歴史の重みを肌で感じる。


別世界に迷い込んだ感じ、、


中庭にテントが何個か準備され、

僕らはその中に案内された。


そこで、衣装チェンジ、メイクをするようだ。

ケイだけは、アリスとケルについて、日の出前からここへ来ている。


ケイの準備は済んでいた。

「おせーよ」

ケイが無愛想に言ったんだ。


SJもアリス達と早くから仕事をしていた。

SJが僕ら4人を見つけると、

「さっさとここに座って」

と命令した。


アリス達の衣装はマックのデザインだったけど、

僕達のは、ミュージックビデオのイメージに合わせて、

監督のチームのスタイリストが選んだ。


ジョン・ガリアーノ。


ケイが着ているのは、

モノトーンの花柄プリントのアンシンメトリーのコート。

品良くモダンな感じ。

めっちゃカッコいい。


SJが僕に言った。

「ケイ素敵でしょ!」

「ステファンがね、ケイの雰囲気はリバー・フェニックスみたいだって言ってたわ」

「マックって、どことなくキアヌ・リーブスみたいな、甘いマスクでしょ」


「こういう雰囲気っていうか、オーラの二人って惹かれあうのかしらね」

「親友としてよ、もちろん」

そして、SJが僕の顔を触った。

僕も、じっと見上げた。


「ジョン、、あなた」

そういうと、黙るんだ。

多分、SJには分かるんだ。

僕の変化が、、

SJは黙って、僕にメイクしてくれた。


あの時の顔だ、、

アリスにメイクしていた時のSJの顔、

何かに取り付かれた様に、

恐ろしいほどの集中力、、



僕には柔らかいウェーブのプラチナブロンドのウィッグが着けられた。

髪はミディアムだ。

SJが最後に言った。

「ジョン、このブルーコンタクト入れて」

僕の瞳がスカイブルーになった。

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