5人の王子と氷姫 ー悪魔の爪跡ー

第二十一章 パリでの出来事




夕方、パリに着いて、

僕らは、コンコルド広場に面した5つ星ホテルへ泊まった。

豪華なシャンデリア、大理石、、

重厚感があって、エレガント、

ホテルというより、18世紀の宮殿だ。


アリスが、ため息混じりに、

「なんて、素敵、、」

と、目を輝かせていた。

ミリョンとケルもだ。

ミリョンが、

「フランスのホテルマンって高飛車かと思ってたけど、ここは洗練されてるわ」

と、感心してた。

何気ない気遣いと、距離感。

そして、くつろげる空間。

一流って、こういうことをいうのかな、

と、僕は思っていた。


練習生の頃、住んでいたねずみの出るぼろアパートとは、大違いだ。



明日は、1日休養日となっている。

パリ見物に行こうなんて余力はまったくなかった。


アリス、ケルもかなりの疲労を見せていたんだ。

SJは、

「移動日までには戻るわ」

そういうと、タクシーを捕まえようとしていた。

僕は、SJに謝らなきゃってことを思い出したんだ。

いそいで、SJを追いかけた。


「SJ、まって!」

SJはうれしそうな笑顔で振り向いた。

それを見て、僕はSJが彼氏のところへ行くんだと思ったんだ。

「この前、ホテルでね、、、」

「あの、夜遅くにSJの部屋に行ったんだ」

「多分、僕、邪魔しちゃって、、」

「男の人が、ドアを開けて、、」

僕は、ちょっと支離滅裂になってきた。

SJと、彼が、何をしてたかなんて、頭をよぎってしまって、、

男の肌けたバスローブを思い出してしまった。

「とにかく、ごめんなさい」

僕は、SJに謝った。

SJは、とても驚いた顔をした。

そして、とても深刻な顔、、


「ジョン、、」

「あなた、あの人を見たのね」

僕は頷いた。

「誰かに話した?」

僕は首を横に振った。


SJは、安堵した表情になった。

「ジョン、お願いがあるの」

「あの人のことは誰にも言わないでね」

そう、SJが悲しそうな顔をしたんだ。

だから、僕は、どうして?、って聞けなかった。


何か、理由があるに違いない。


家庭もちの男とか、、


「SJ、わかったよ。だれにも言わない」

「約束する」


SJは、とても嬉しそうに笑った。

その笑顔は、悲しげで、、

でも、美しかったんだ。

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