5人の王子と氷姫 ー悪魔の爪跡ー

第二十四章 誕生日パーティー

僕たちが韓国に帰ってから、超多忙な過密スケジュールをこなしていった。

アリスとケルは、あの後、日本に帰国した。

アリスの件が発表になったら、もう、自宅にも帰れなくなるだろうってことで、ゆっくりと里帰りだ。

6月中旬にスミス監督が編集をした僕らのミュージックビデオが完成した。

ミギョン女史とスタッフが一番にそれを見たんだけど、

あんなに興奮したミギョン女史を見るのは初めてだった。

練習室にいた僕らのところにビデオを持って駆けつけてきた。

「あなたたち!」

「凄いわよこれ!」

「スミス監督って凄いわ!」

そういうと、ビデオを見せれくれた。

雲海の上に浮かぶホーエンツォレルン城。

前奏が始まるとともにカメラが近づく。

中庭に白いベールを被ったアリス。

違うアングルから、赤いベールを被ったレイナ。

僕の歌いだし。

いきなり僕のアップ。

静かに目を開けるブルーの瞳の僕。

ズームアウトで僕一人 大広間に立ってる。

次の瞬間、赤と白のドレスを着た二人が後ろ向きで僕の横にいる。

まるで、双子のような後姿。

まるで、幽霊のように空気から湧き出たみたいに。

そして、ゆっくり二人が振り向いた。

ショーンの綺麗な声が僕と絡む。

このとき、二人のベールがとられ、素顔があらわになった。

僕らは息を飲んだ。


アリスの清純無垢で冷たい瞳。

レイナの情熱的で妖艶な眼差し。

二人とも、圧倒的な美貌、存在感。


僕らの曲なのに、まるでショートフィルムを見せられたような感動。


「凄いな」

ケイが自分で作った曲なのに、まるで他人事のように言ったんだ。

「ほんと、すげー、これ」

マックも驚きを隠せない。

ショーンが驚いたように言った。

「アリスはこうなるって予想できたけど、レイナも凄すぎる」

「それから、お前」

僕の顔を見た。

ジェイもうなずいて、僕に言った。

「化けやがった」

「誰だよ、これ」

みんな笑った。

「何だよ、僕は監督に言われるまま、やっただけだよ」

僕はみんなに抗議したんだ。

「いや、凄くいいよ、お前」

ケイが褒めてくれた。

ミギョン女史も笑って言った。

「みんな、凄くかっこよく映ってるわよ。でも、ジョンは特別ね、化けたって言葉がぴったり」

みんな、また笑った。

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