5人の王子と氷姫 ー悪魔の爪跡ー

第二十七章 嫉妬

僕達は、二週間もホテルで缶詰状態だった。

アリスには24時間の警護が付けられていた。

しかし、ある日、その警護が必要なくなった。

ミギョン女史から僕らは事情を聞かされた。

警察はあの写真の男の身元を割り出すのに成功した。

ソン・ジョンミンという男だった。

あの映画では、大道具のアルバイトだったらしい。

「その後、アメリカに渡り市民権を得たところまでは分かったのよ」

「アメリカで何をしてたか足取りが分からないそうよ」

「何度も、韓国に来てたわ、事件が起こったときも全て韓国にいたそうよ」

「でも、5年前、フランスでおきた自爆テロに巻き込まれて死んでたわ」

「だから、この男がアリスの事件の犯人だっていう確証はないけど‥‥」

「アリスの証言だけだけどね」


アリスの事件後にすぐ犯人は死んでいた。


あんなに憎んだ犯人がもう死んでいたなんて。

アリスも、ケイも呆然としていた。

「‥‥死んでいたんですね‥」

アリスの頬に涙が落ちた。

「何だよ、それ‥‥」

ケイは悔しさでテーブルを叩いた。


僕はそのニュースを聞いて安心した。

アベルとSJの彼氏が関係してるかも、なんて勝手に思ったこと。

他人のそら似だったんだ。

だから、このことは誰にも言わずにおこうと思った。

「結局、アベルとこの男の関係も分からないまま!」

そう、ミギョン女史が言った。

「アリス、だから、もう何も心配する事はないのよ!」

「はい!」

アリスの明るい声が響いた。

明日にはケルが退院してくる。


SJは昏睡から目を覚ました。

僕が予想していたとおり、SJはアベルに自首するように説得しようとして、刺されてしまったという事だった。


ジェイは、まだ病院だが順調に回復している。


ミギョン女史が、

「音楽番組の出演依頼が殺到しているんだけど‥‥」

と、ケイの顔を見た。

僕らのプロデューサーも兼ねるケイ。

クオリティーにこだわるケイがオッケーするわけがない、ジェイがいないのに。

「ダメに決まってるでしょう」

分かりきった答えだ。

ミギョン女史は残念そうだった。

「そのかわり、ミリョンの事は俺たちが全面的にプロデュースしますから」

「曲仕上がったの?」

ミギョン女史が嬉しそうに聞いた。

僕らは頷いた。

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