若頭は旦那様!?

《10》











廃れた工場は裏通りにあるからか、時折車が通る程度で人の通りはほとんどない。





どこかに線路があるのかガタンゴトンと電車の音がしていた。










シャッターの開いた一階は男性の笑い声が不気味に響き、人は数人いるようだった。




外から二階へ通じる階段があり、張り込みはいないけれどどちらの入口にも防犯カメラがある。













私たちは二件離れた道路の端からそれを見ていた。






反対側にいた名越さんが頷くと、その後方に控えていた人たちが続々とやってくる。









名越さん率いる三芳組の人たちだ。










みんながシャッターの開いた中へと入っていくと、怒鳴り声が響き渡っていた。





いくつもの声が混ざり合って、何が起こっているのかも分からない。











「今頃傷だらけやね」

「…でも、一般人ですよね?」

「犯罪者予備軍。いずれは逮捕されるんよ」





おっとりほんわかしている沙織さんだけど、やっぱりこの世界のことは慣れているよう。








向かいで夢灑さんが人差し指を上に立てた。




天狗の面を付け、私と沙織さんは二階への階段を上っていく。








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