若頭は旦那様!?

《2》









目覚めると、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。


………眠い……体痛い………腰が………。





重い瞼を開き嫌々ながら棚の時計に目を向けると、本来ならば仕事に行く時間だった。


けれど今日は仕事が休みで、ダラダラしてても良い日。

いつも起きるべき時間に起きてしまう私って、体内おばあちゃんなのかな……。





──昨日、


柊悟さんのご実家 兼 暴力団組織藤ヶ崎会の本家であるあの邸宅で結婚一ヶ月記念日をお祝いしてもらった私たち。

二人で桜を見に抜け出したけれど、朝の会話からして当然本家に戻り就寝を迎えるのだと思っていた。





"え…柊悟さん、どこへ…?"


二人の乗るバイクが進み曲がる度に、見覚えのある本家への道とは違う風景へ変わっていく。



"………帰る"

信号待ちで一言、柊悟さんはそう言った。


その言葉に含まれた意味に、今でも胸がじんわりと温まる感覚が忘れられない。




まだ、ここに住んで1ヶ月なのに、柊悟さんの帰る家が本家ではなくここなのだと思ってくれていることが──。



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