若頭は旦那様!?

《13》














ただの白い壁も黄金に輝くシャンデリアがあるだけで華々しく変身する。





絨毯と同じワインレッドが壁や天井の一部にもあり、それを夜の雰囲気に仕立てていた。









披露宴と違い小規模で、ガヤガヤせずに落ち着いている。











「招待状かわいかったっすね~ピンクで、藤もあって!」

「ホント!私も作るならああいうかわいい招待状が良いな~」








家族の影響か乙女思考な石田は強面の顔を緩めていた。




それに乗っかるように赤い唇に真紅の爪をした人差し指を添えたのは、三芳組組長の一人息子…今は娘…の、梓。







赤に近いピンクのドレスの手配だけでなく、金髪を後ろでごちゃごちゃとまとめた髪型は、なんとパソコンで調べて名越にやってもらったらしい。








それを見事やってのけた名越は、将来娘に好かれるパパとなれるだろう。




…相手がいればの話だが。









グラスに入ったワインを一口含んだ名越は、どこかをぼんやりと見つめたまま。




青みがかったジャケットは爽やかさを演出していたが、こちらも目つきの悪さのせいか男らしさが前面に出ていた。








その視線の先はと見てみるが、何もないただの壁。






こういった場での出会いさえ求めていないところを見ると、女を求めてはいないらしい。




……こいつに春は当分来ないな。









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