若頭は旦那様!?

《3》











グラグラと体が揺らされる。

腕を掴む小さな手の温もりが、やけに愛おしい。







「柊悟さん、」




意識がはっきりしていないにも関わらず濁ることのない鈴の音は、いつしか実体がないときにまで聞こえるほど聞き慣れていた。


それはまるで毒のように俺の体に染み渡り、無意識に腕に力がこもる。







「柊悟さん、起きてください」



この温もりを、絶対に手放したくない。







「柊悟さん……チュウしちゃいますよ?」


寝るか。







「柊悟さーん…」

「…………」

「……あ、身動き取れないからチュウもできなかった…」





腕の力を緩めると、「やっぱり起きてる…!」とクスクス笑った霞がモゾモゾ動いた。


薄く目を開けば、背を向けていたらしい霞が体を向き直っていた。






「………騙したのか?」

寝起きで声が掠れる。



「チュウしようとして気付きました」

だが霞はそれを気にした様子もなく、目を細めて笑った。



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