若頭は旦那様!?!?

《17》














その年の初夏。











「どこに向かっているんですか?」

「着いてからの楽しみだ」









最後部座席を振り返った霞さんが顔を戻しがてら窓を見て、目を見開いた。










「柊悟さん海ですよ!海!」

「…あぁ」








水面と同じくらい目をキラキラと輝かせる霞さんを、若は幸せそうに見つめていた。









「…んあー、ぶーっ」










その横で、頬を膨らませた悠月さんが大量の唾を若の私服にかける。





霞さんがいる手前青筋を立てて悠月さんを睨むだけで抑えた若を見て、悠月さんは「キャハハ」と笑っていた。









…なかなか濃い若の血を継いだなぁ……。










運転席から全てを見ながらも口を閉ざしていた俺は、予定通りの場所に駐車した。










「え、李泱さん…?」

「到ー着っ」









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