若頭は旦那様!?!?

《18》













辺り一面は真っ白く覆われ、澄んだ空気が向こうの山脈を魅せる。





藍がかった青い空は雲一つなく、白を被った木々やなだらかな斜面を輝かせていた。










「わー!すっげー!」

「これ全部雪?掘ったらどこまで行くかな」









後ろからバタバタと慌ただしい足音がしたと思うと、私の前に躍り出た登夜と悠月が感心していた。







登夜は上から滑ってくる人を見ると「俺も早く滑りてー」と言う。




悠月はしゃがんで雪を手に拾い上げ、都会とは違うその感触を楽しんでいた。







二人とも七歳になり、様々なことに興味を持ち出す多感な時期だ。









「…………」





一方、無言で私の空いた左手を握った女の子は、茶色い瞳で私を見上げてくる。








「雪女がいるって本当?」

「……んー…いるかもしれないし、いないかもしれない…かな…」







いない……けど、夢を持たせないのはなぁ…。




女の子は背中までの黒い髪を揺らして遠い山の頂上を見つめる。






すると私の右隣にいた影が動き、もうすぐ六歳になる子の小さな頭に大きな手を置いた。








0
  • しおりをはさむ
  • 5071
  • 14677
/ 432ページ
このページを編集する