若頭は旦那様!?!?

《20》














状況は、昼になっても変わらなかった。









初心者コースのさらに子供向けのなだらかな道で、隆星が転びそうになりながら滑る。








「すごいね隆星〜」







霞はその道の脇に立ち、ペンギンのように歩いてくる隆星をしゃがんで迎え入れていた。








「もう一回滑ってくる」

「うん、待ってるね」







たかが10、20メートルそこらの距離のためにそんなこと言いに来る必要ねぇだろ。









「………霞」

「…何ですか」







隆星の後ろ姿を見つめたまま、数秒前とは打って変わって冷めた口ぶりをする。





…あいつの泣き声でも起きないような効力の高い睡眠薬にすべきだったか。









「…俺は言ってねぇぞ」

「……柊悟さんはいつも、隆星にだけやたらと厳しいですよね」









悠月と登夜は物心ついた時から互いがいたから、変に霞に甘えず互いにちょっかいを掛け、二人で完結していた。







撫子も大人しい上、霞を俺から奪う時はやたらとこっちを気にかけ、毎日のようにはやってこない。









桜子はまだ赤子だから仕方ないとしても…。







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