カーテン越しの君【完】

カーテン越しの君 /謎の解明

しかし、隣のベッドの彼とコミュニケーションを図れば少しは二人きりの気まずさも解消されるかと思い、紗南は勇気を振り絞ってカーテン越しの彼に自分から話しかける事にした。



「あのぉ、お隣さん。入室記録表と上履きに書いてあるのは、何で★マークなんでしょうか?」

「…」



隣の人は明らかに起きてるくせに、突然隣から問いかけた私を警戒してるのか、話に一切応じない。


それでも私は自分を安心させる為に、カーテンの向こう側の彼にしつこく問いかけた。



「もしもーし?隣のベッドのあなたに話しかけてるんですけど」

「…」


「星さーん。あなたですよー、隣のベッドのあなた。私の隣のあな…」
「あー。もう、うるせーなぁ。せっかく休んでるんだから、静かにしてくんねぇ?」



カーテンの向こう側の彼は、不機嫌で少し面倒臭そうに答えた。


運良く会話に繋がりそうなチャンスをモノにした私は、再び彼に問い尋ねた。



「あの、保健の先生が戻ってくるまでの間だけでいいですから、★マークの秘密を教えて下さい」

「…」


「それだけ聞いたら、それ以上は聞きませんから」

「………絶対?」



ボソッと呟いた彼は警戒心が強いタイプなのか、妙に疑い深い。



「はい。絶対」

「約束する?」


「します、します〜。約束は守るタイプです」

「フッ……、なんか返事が軽いな。まぁ、いいか」



隣から軽い溜息が耳に入った瞬間、不思議と隣の彼と少し距離が縮んだように思えた。

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