カーテン越しの君【完】

カーテン越しの君 /思い出のスイッチ

「やだっ…。セイくん起きてたの?」



紗南は不意に歌った歌声が、隣にいるセイ聞かれたと思ったら、急に恥ずかしくなった。



「レ・レ シ〜ラ〜ソ〜ファ#〜ファ#〜 ソ〜ソ〜♪ だよな」

「そうだけど。…どうして」



セイが奏でるメロディーが、間違いなく思い出の曲の《For you》だったから、紗南は驚くあまりに言葉を失った。




「今なら素直に伝えられるのに〜♪ Love you For you〜♪ Love you Forever〜♪」



初めて聞いたセイくんの歌声が、あまりにも素敵だったから。

私はベッドに座ったまま、うっとりと静かに聞き惚れた。



歌声が不思議と心地よくて。
心にジンと深く染み渡って。

ずっと傍で聴いていたくて。


歌声に感動した紗南は、自然と瞳から涙が溢れた。


どうやらこの曲は、私の思い出のスイッチだったみたい。


次々と涙が溢れてきて止まらないよ。



素敵。
セイくんの声と懐かしい歌の響きと。

似てる。
私に星型の飴をくれた皆川くんの歌い方と。

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