好きになんか、なってやらない【完】

16章 見返し

 
「おつかれー!」


カツンと重なりあう四つのジョッキ。
掛け声とともに、みんな口をつけた。


「あー、やっぱ仕事後のビールはうまい!」
「ですよねー!まずはビールからじゃないと」


意気投合しているように、頷き合うのは、真央と柿本さん。


「今日は俺がいるから、とことん飲めよ」
「……言っておくけど、私、酔いませんよ?」


そして私と凌太の四人だ。


なんとか、凌太と両想いになったということを真央に報告したら、すぐに一緒に飲みたいとはしゃがれ、
柿本さんも同じような反応をしたらしく、結局四人で飲むことになった。

もともと、柿本さん狙いの真央。
多分、この時をずっと待っていたに違いない。


「いやー。でもまさか本当に、二人が付き合うことになるとはなぁ……」
「あたしは分かってましたよ。いつか絶対に、この二人は本気の恋におちるって」
「いいねぇ、その響き!でも……くくっ……凌太がねぇ……」


含み笑いを添えている柿本さんは、やっぱりちょっと苦手。

凌太と付き合うことになったけど、決して男嫌いが克服できたわけではない。


「うるせーなぁ……。お前もいい加減落ち着けよ」
「つい最近まで、恋をゲームだと捉えてたお前に言われたくねぇよ」


ああ、やっぱり……。

分かってはいるけど、過去の凌太話はあまり聞かないほうがいい。
 

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