それが罪だとしても…【完】

9章 母の愛

 
それにしても、いっぱい買ってもらっちゃったな……。

部屋に置かれた、紙袋の山。
今朝になって、改めて思った。

恭哉はもう仕事に行っていて、部屋にはあたし一人。


これ可愛いなー……。
あのスカートに合わせたら合うんだろうなぁ……。

あ、ってか服をいっぱい買ってもらったけど……
靴を買い忘れた。

持っている靴は、恭哉があたしを誘拐したとき、適当に拾い上げたスニーカーのみ。
だからこの服を着るとしたら、合う靴がないと気づいた。


「……」


思い浮かんだ、一つの行動。

恭哉には、もう好き勝手に出歩いてもいいと言われた。
異変を感じたら連絡するから、と携帯も渡されている。


突然、アパートから連れ出された自分。
だから自分の私物は、全てあのアパートに置いてきてしまった。


大事なものも
必要なものも

全部あの部屋。



「………帰ってみようかな」



一つの決心をして
あたしはある程度の時間になると、マンションを出た。
 

0
  • しおりをはさむ
  • 170
  • 2466
/ 289ページ
このページを編集する