それが罪だとしても…【完】

10章 過去の出逢い

 
朝起きたら、いつもと調子が違う気がした。

ぼーっとするような……
体全体が重いような……。


ベッドには、すでに恭哉の姿はない。
だけど壁の向こうからは、ほんの少しの生活音が聞こえて、まだ会社には行ってないと分かる。

布団をまくると、どこか肌寒くて、そのままリビングへと向かった。


「おはよう」
「おはよ」


ドアを開けると、ダイニングの椅子に腰かけ、コーヒーをすすっている恭哉。
あたしも向かい側の椅子へと手をかけた。


「そこにいつものがある」
「あ、うん……。でも今はいいや」


いつものというのは、コーンフレークのこと。
あたしのために用意された、朝ごはん。

冷蔵庫には、ちゃんと牛乳も入ってる。


恭哉は基本的に朝ごはんは食べてなくて、いつも苦そうなブラックコーヒーを口にしている。
だからわざわざ、あたしのためにコーンフレークを買ってきてくれたのだ。


「どうかしたか?」
「え?どうもしないけど……」
「顔が赤い」
「そう?」


ぺたっと自分の頬を触った。
確かに熱い。

けど……

どちらかといえば寒い。


「熱でもあんじゃねぇの?」


それを言われて、ピンときてしまった。
 

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