それが罪だとしても…【完】

 
熱……。
ああ、そっか。

確かにこの症状は、熱が出たときの悪寒だ。

最近体調を崩すことがなかったから忘れてた。


黙ったあたしに、恭哉が手を伸ばし、おでこに触れた。


「あつっ……。これ、絶対に熱あんだろ。
 とりあえず、寝室戻れ」

「えー……」

「子供かよ。悪化する前に治せっての」

「……はい」


ダダをこねるあたしに、恭哉は鋭い眼差しを向けてくるだけ。

これは逆らわないほうがいいと察したので、しぶしぶ寝室へと向かった。


また寝なくちゃいけないのか……。
この部屋はリビングと違って、暇つぶしのものもないからつまんないんだよな……。


本当に子供のようなことを考えながら、布団の中に入ると、扉が開いた。


「これ貼っておけ」
「あ……ありがとう」


渡されたのは、冷えピタ。
こんなもの、貼るのは小学生以来だ。


「今日は会議が入ってるから休めねぇけど……。一人で大丈夫か?」


恭哉はベッドの横に腰掛けて、あたしのおでこをかき分けた。
冷えピタで貼りついた髪をとってくれている。


「うん。大丈夫だよ。
 もう子供じゃないんだから」


その言葉に、恭哉は苦笑していた。
 

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