それが罪だとしても…【完】

12章 信じたかった

 
《悪い。今日は何時に帰れるか分からない。
 だから先に寝てろ》


それは、いつもよりもずっと、深刻そうな声をした電話だった。


お腹が空いてきた7時前。
恭哉に渡されていた携帯が鳴り響き、まだ慣れない携帯電話に耳をあてた。

相手はもちろん恭哉からで、
「もしもし…」と尋ねた矢先に返ってきた言葉。


「そっか……」
《何かあったら連絡して》


それだけ言うと、電話はすぐに切れてしまった。



さっきと変わらない無音の部屋なのに
帰ってくるのが遅いと分かった瞬間、もっと寂しい空間に感じてしまう。

まるで小学生の子供のようだ。



だけどいったいどうしたんだろう……。

かなり深刻そうな……
どこか悲しげな声だった。


会社で大きなミスとかあったのかな……。


何も知らないあたしは
この時そう思うことしか出来なくて……



「コンビニ行こ」


夜ご飯の買い出しに、一人コンビニへと出て行った。
 

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