それが罪だとしても…【完】

13章 守りたい

 
「……」


目を覚ましたのは、もう太陽が完全に昇りきった朝だった。


視界にうつった部屋を見て落胆する。

そうだ……。
あたし、家に帰ってきてしまったんだ……。


本当は、もう二度と帰らないという意味で、最後にお母さんに挨拶をしに来ただけだった。
お母さんが、あたしに謝ってきたから……。


だけど……



(誰もアンタを愛したくて、ここに連れ戻したかったわけじゃないわよ。
 アンタはただの金づるなの)



お母さんが、あたしを連れ戻したかった理由は、
決して暴力をふるったことを後悔していたからじゃないんだ。

お父さんからの遺産を奪い取るため……。


こんな家、すぐに逃げ出したかったのに……



(どこ行くつもり?
 アンタには役目を果たしてもらうまで、いてもらうわよ)

(い、たっ……やめっ……)



あたしは、抵抗をやめるまで、お母さんに暴力をふるわせ続けられた。
 

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