それが罪だとしても…【完】

14章 意外な味方

 
「ほら、早くしなさい」
「……はい」


お母さんの仕事が休みの木曜日。
あたしはとある場所に連れられていた。


電車を乗り継いで、向かった一つの場所。
その間に会話らしい会話なんてない。

ようやく着いた場所は……


「ったく……嫌味なマンションね」


恭哉が住んでいるような、普通の家庭ではあまり住めそうにない、高層マンションだった。


お母さんが備え付けられているオートロックの番号で、どこかの部屋番号を押す。
それに反応して、一人の男の人の声が返ってきた。


開くドア。
一緒に中に乗り込み、35階のボタンを押す。

あたしは無言のまま、お母さんのあとに着いていくだけだった。



ピンポーン……

エレベーターを降りてすぐの部屋のインターフォンを押すと、カチャリという音とともに部屋のドアが開いた。


そこに現れたのは……




「いらっしゃい」




あたしの知っている父よりも
ずっと老けた、お父さんだった。
 

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