それが罪だとしても…【完】

17章 すべてを失っても……

 
「お願い、降ろしてっ……」


車に乗せられている間、頭がだんだん冷静になっていき、今の状態が決していいことではないと理解した。


あたしが再び恭哉のもとへ戻るということは
満さんが恭哉の存在をお母さんに知らせてしまうということで……。


お母さんが、警察へ通報してしまう。


「うるせぇ。暴れると、落とすぞ」
「いいからっ……」


恭哉のマンションにはすぐに着いて、逃げようとするあたしを、再び抱きかかえてエレベーターへと乗り込んでしまった。

必死に抵抗しているのに
抵抗しきれない力は恭哉に敵うはずもなく……。



「いたっ……」



部屋に入ったら、そのままベッドへと投げ出された。


何度も何度も夜を過ごした部屋。
恭哉と抱き合いながら寝たベッド。

あたしにとって、こんなにも寝心地のいい布団はなかった。


でもここにいたら、恭哉を守ることは出来ないから……


「帰るっ……」


誘惑に負けそうな自分をなんとか抑えて、投げ出された体をすぐに起き上がらせた。

だけど……



カチャリ……

「なっ……」



足首に感じたひんやりとした感触。


そこには……
あの時と同じような足枷がつけられていた。
 

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