それが罪だとしても…【完】

21章 あなたを守りたい

 


―柚。どこか一緒に逃げようか―



その言葉を聞いた時
全ての決心がついたの。



あたしは……
あなたのために、守ってきたすべての物を投げ出そうと……。



「ありがと……恭哉……」



隣で眠る愛しい人の寝顔。

サラサラな髪に、きめの細かい肌。


(もう一度、誘拐しに来た)


そう言って、
突き放したはずのあたしを、再び誘拐してくれた。


感謝してもしきれないほど、恭哉にはたくさん守ってきてもらったはずなのに
「誘拐犯だから」といって、冷たく突き放したはずだった。

だけど彼はあたしの真意を読み取り
常にあたしを想ってくれて……

助け出すタイミングを見計らい、全てを投げ出してあたしを救ってくれた。


大事なお母さんが築いた会社を投げ出してまで
あたしをさらい、逃げ回ること。

誘拐犯というレッテルを背負って生きること。



(お前の最大の罪は

 俺から離れることだ)



それを罪と呼ぶのなら
あたしは一生罪を背負いたくない。
 

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