それが罪だとしても…【完】

6章 悪夢

 
初めて手をあげられたのは、
父が家を出て行って、一か月後の日だった。


お母さん…
またあんなに飲んで……。


土曜日。
その日はいつもお母さんはお酒に溺れる。

金曜日の夜、仕事から帰ってきて
それから酔いつぶれるまで飲み続ける。

だから土曜日はテーブルの上にいっぱいの缶をまき散らかし、起きては飲んで…の繰り返しだった。


「お母さん、こんなところで寝たら風邪ひくよ?」


そろそろ肌寒くなってきた季節。
アルコールの取りすぎで心配でもあったし、夜、布団もかけずにリビングで寝てしまうことでも心配だった。


土曜の朝、起きたら案の定、お母さんはテーブルの上に頭を突っ伏したまま眠ってしまっていて……


「お母さんってば……」


肩をゆすって、ようやくお母さんを起こす。

ゆっくりと上げられた頭。
すわった瞳で見上げられ……



「何よ、その顔はっ!!」



バシッと、弾ける音が部屋に響き渡った。
 

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