それが罪だとしても…【完】

 


―――…‥



「………ん…」


ふいに、温もりを感じて、目を覚ました。

目の前には、綺麗な顔をした男の人の寝顔。


ああ、そっか……。
あたし、結局あのまま、永眠することはなかったんだ……。


あたしをさらった、一人の誘拐犯。
いったい、どうして、こんなあたしを誘拐したんだろうか……。


(お前を俺のモノにするためだ)


それがあたしをさらった理由だと言っていたけど
恭哉はどうしてあたしのことを知っていたの?

あたしは恭哉なんて、誘拐されるまで、見たことすらなかったのに……。


理由なんて分からない。
目的なんて分からない。


だけど……



「………起きてたのか…」

「うん。今……っ」



ゆっくりと開けられた瞼。

絡み合った視線とともに、頭を引き寄せられ、唇を合わせられた。


「んっ……ちょ……」
「いいから抱かせろ」
「んぁっ……!」


たとえカラダが目的でも構わない。
完璧なドールにさせられることでもいい。


「柚……」


彼の腕だけは
温かい温もりだと感じられるから……。

 

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