それが罪だとしても…【完】

7章 存在意義

 
「あ、れ……?」


ふと意識を取り戻すと、もうベッドには恭哉の姿はなかった。

寝室のドアは開けられたままで、廊下の向こうからシャワーの音が聞こえる。


また意識飛んでたんだ……。


感覚的に、意識がなかったのはほんの一瞬だと思う。
恭哉に抱かれて、終わったあとにそのまままどろみに入ったくらい。

すぐに廊下からはカチャという音が聞こえて、恭哉がシャワーから上がったことを感じさせた。


「気が付いた?」
「あ……うん」


恭哉は軽くタオルで体を拭いただけで、腰にバスタオルを巻いたまま寝室を覗いた。

不覚にも、その姿にドキッとしてしまった。


女のあたしから見ても、恭哉は十分すぎるほど色気がある。
程よい筋肉が、腰のバスタオル一枚という姿が余計に彼の色気を引き立てていた。


「その、すぐ気を失うのどうにかしろよな」
「え……」
「二回目がしづらい」
「……」


朝から、なんという会話を……。

そういうことへの経験値がないあたしにとっては、赤面すぎる内容だ。


「って、んなことしてる場合じゃねぇんだよ」
「え?」


恭哉はハッとして、寝室に足を踏み入れることなく、そのままリビングへと行ってしまった。
 

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