発情注意報!!【完】

12章 恋心

 
「ありがとうございましたぁ」


お腹も気持ちも一杯になって満足になったお客さんを見送っていく。

航ちゃんのお店に来る人たちは、いつも幸せそうな顔になって帰るのだ。
それほど、航ちゃんの作るケーキは、幸せの隠し味が入っているから。


「すみませーん」
「はい!」


夕方ごろからは、お客の耐えない毎日。
足を痛めて休んだ分、なるべく休みナシで毎日バイトに入ってた。


だから自分の気持ちに気付いたあの日以来、
新先輩には会っていない。


「桜、今日はもう上がっていいから」
「あ、はい」


お店を閉める30分前。
週の真ん中ということもあって、夜になったらもう店内でケーキを食べていくお客さんは少なくなり、ほとんどテイクアウトのお客さんのみ。

あとは、航ちゃんと志穂さんで回せるということで、私はもう帰っていいと言われた。


とは言っても、帰り際に空いているテーブルを一通り拭いて、トイレチェックをして、控え室に戻って着替えを済ます頃には、もうお店のクローズの時間。

店内には、お客さんの姿はなくなっていた。


「じゃあ、今日はもう帰るね」
「んー。お疲れ」


航ちゃんに一言挨拶をしたあと、志穂さんにも。


「志穂さん、お先……」
「桜ちゃん、何かあったの?」


だけど、挨拶をする前に、志穂さんに突っ込みを入れられてしまった。
 

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