発情注意報!!【完】
15章 それでも…
「学級委員ー。今日の世界史だが、いつもの資料を使うそうだから、用意してほしいとのことだ」
「分かりました」
朝のHR、担任から告げられ、資料室に行かなくてはいけないことに溜息をついた。
あんなに恋しかった資料室が
今は一番避けたい場所。
だけど私情で、学級委員という立場を投げ出すわけにも行かず、世界史の5時間目になる前の昼休み、距離を置いていた資料室へと向かった。
ガラ……
扉は、いつものように抵抗なく開いた。
だけど中は静まりかえっていて、人の気配は感じられない。
よかった…。
さすがに今、新先輩が他の女の人とイチャついている姿を見る覚悟はないや。
喘ぎ声が聞こえたら、即座に引き返そうと思ったけど、その必要はないようだった。
頼まれていた資料を手に取ると、なんとなく奥へ踏み入れた。
いつのもの場所。
始まりの場所。
求めた場所。
もうそこには、私が求める彼はいないけど……
「っ……」
思わず、声が出そうになった。
棚の上には、堂々と寝転ぶように、新先輩が寝ていた。
あらすじ
成績優秀、昭和女、男嫌い。3つのレッテルを持つ「三嶋桜」には、人には言えない素性がある。それを知らずに、桜に迫ってしまった新は、とんでもないことに巻き込まれ…!
この作品のレビュー
総合ランキング9位獲得!(2019年07月)
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