ぎゅっと抱きしめて そっとキスをして【完】

作者

眠っている陽生君の髪に、長い指を持つその手に、綺麗な肌に、そっと触れる。少しだけ見えるお腹に心が“ぎゅっ”ってなる。引き寄せられる唇。理性なんてもう効かないよ…

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「眠れない?」



そう聞いてくれる彼に両手を伸ばす


そっと私を胸に入れてくれるけど


軽く手を添えるだけ


すぐ近くにあるその手は


私をぎゅっと抱きしめてはくれない




そばにいてくれるだけで幸せなことなのに


贅沢なんて言えないのに






ぎゅっと抱きしめて欲しい


そっとキスをして欲しい




恋の心が、ずっと私にそう言っている