黒の蝶【完】

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毎日、8cmヒールを履いて、黒のパンツスーツの上に、黒のロングコートを着て、源さんの所に通った。

もちろん化粧もしているし、瞳にはグレーのカラコンをし、ブラウンのロングヘアのウィッグもつけている。

繁華街に流れる音楽や飾り付けを見て、もうクリスマスシーズンだと思った。

だけど、私はキリスト生誕の日を祝おうとは思わない。

キラキラと輝くイルミネーションは、私には明る過ぎる。

私の世界には、キラキラと輝く物はいらない。

そう言えば、ブラックサンタがいる。

なんて事を美里から聞いたような気がした。

でも、サンタと言う言葉も好きじゃない。

夢見る乙女と言う言葉があるけど、私は夢見る乙女じゃない。

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