唯一無二【完】

6)



「明日、貴島組に行く」


烏から、そう言われた夜、私は夢を見た。



私の隣に、寄り添うように座っているのは、白百合のような和服姿の貴島百合。


「今から、話す事は、私の独り言」


その言葉に、頷いたのは、夢の中に出てきた私だった。


「あの子は、私の子であって、私の子ではないのよ。

貴島組は、先祖代々、ヤクザなの。

男の子が産まれたら、貴島組を継ぐのは、決まり事なのよ。

だから、あの子を産んだけど、直接育てたのは、先代なの」


私の方を見ずに、窓の外を見ている貴島百合の言葉から、切なさを感じた。

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