唯一無二【完】

7)



貴島組に行った夜、私はまた夢を見た。


源さんが、寝かされている柩が、大きなコインロッカーのような所に入って行くのが見える。

あの時、私の脳裏に浮かんだのは、私が捨てられた駅のコインロッカー。


「駄目!そこに源さんを入れないで!」


柩に駆け寄り、そう叫んでいる私がいる。


「駄目!捨てないで!」


初めて目にした火葬場は、まるでコインロッカー。

私の過去と、源さんの柩を、飲み込もうとする焼却炉がシンクロする。


「源さんを捨てないで!」


何度も叫ぶ私が見える。

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