唯一無二【完】

11)



まだ肌寒い3月31日の深夜。

私と烏は、小さなキャリーケースを、1つ持って、煌蓮総本部を後にした。

誰にも告げず、煌蓮総本部を出たのには、それなりの訳がある。

烏が、運転するレクサスは、烏と出逢った病院の前に停まる。


「最初に出逢ったのは、この病院の廊下だったよね」


私の言葉を聞いた烏は、『あぁ』と答え、レクサスを走らせた。

次に烏がレクサスを停めたのは、繁華街の近く。


「2回脱走して、2回この繁華街で捕まった」

「てめぇが逃げたんは、3回だ」


そんな会話さえも、嬉しいと思う。

0
  • しおりをはさむ
  • 1057
  • 3494
/ 1000ページ
このページを編集する