黒華姫Ⅱ

「拒絶」






「おはよーう」




幹部室の扉を開けて挨拶した。




「おはようございます、華さん」




中にいたのは輝だけだった。PCを弄りながら私へ微笑み、入るよう促したのでテキトーなとこにどかっと座る。「もう少し女性らしく静かに座りなさい」と小言が聞こえたがスルーした。




「他のやつは?」




頬杖をついて、輝以外のやつがどこにいるのかそれとなく聞く。




「奏は実家、昴は修理に出していた携帯を取りに行きました。幸はシャワー浴びてます」



「実家?」



「奏の家が道場なの、知りませんでしたか?夏休みは毎年大会に向けて稽古するんですよ」



「あーなるほど」




前に言ってたな。そうか。道場の家に生まれたら大会にも出なきゃいけない決まりとかあんのかな。めんどくさそー。




「ただ、千里がどこにいるか……倉庫からでてないのは確かなんですが」



「………………」




昨夜一緒に寝て、今もベッドの上です。



……とは言えない。



余計なことは言わないでおこう。面倒な展開になりそうだし。




「それより華さん、また携帯放置してましたよ」



「あ、忘れてた……うげっ」




輝から手渡された携帯を見た瞬間顔を歪めた。見なきゃよかった。




「頻繁に電話鳴ってたので起こしに行こうとしたんですが、ちょっとそれどころじゃなかったので」



「ああ、うん……後でかけ直すからいいよ……」




着歴がどえらいことになっとる。こりゃ今日中にでも連絡しとかねぇとヤベェな。下手すりゃ私に明日があるかどうか。怒られんのやだなぁ……私が忘れてたのが原因だけどさ。



そうやってしばらく携帯を眺めてため息を吐いていると総長室の扉が開いた。







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