超変態彼氏

事件



「退院したんだ…」


「あぁ」


「あの顔。あの時の、アンタに蹴られたときの…だよね」


加藤の顔の左横を覆い尽くしているガーゼ


「あん時、骨が砕けるような手応えあったんだけどな、まさかこんなに早く出てくるとは」


加藤はゆっくりとした足取りで真っ直ぐどこを振り向くこともなく歩いていく。表情までは読み取ることはできない


「久々に見た。吐き気がする」


思わず口に手をやる凪子


「でも、加藤の住んでるのって駅裏だろ?なんでこんなとこ歩いてんだ」


「えっ…ちょっと待って」


加藤は公園沿いを抜けるとすぐの角を曲がった


「そんな、まさかだよね」


嫌な胸騒ぎがした。
トイレから公園を出て、角に立つ電信柱から少し身を出し加藤の歩いて行った方を覗き込む。

公園から角を曲がった先には凪子の家がある。

加藤はまっすぐ凪子の家の向かって行く。


「嘘でしょ。どうして?まさか仕返し…?」


あの時の加藤に首を掴まれ思い切り倒された記憶か甦る。ガラスの割れる音。頭に感じた衝撃。
全身に鳥肌が立ち無意識に震えが止まらなくなった。


「アイツ。今度こそブッ殺してやる」


「ま、待って!刃物とか持ってるかもしれ…」


凪子の家の門扉を開けた加藤


「えっ、ちょっと嘘待ってどうしよう!」


「刃物なんて知るかよ!」


角から飛び出す浅宮


「浅宮待って!」

「うるさい!」

凪子の手を振り払い駆け出した



「加藤!」


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