だから私は貴方に騙される 上

「だけど黒須さんは周りに流れる必要はないと思います」

でも黒須さんはお仕事の関係もあるし、やっぱり理解がないといけないだろうから勢いに任せちゃダメだと思う。

どんなお仕事でもそうだけど、理解がなきゃダメですよね。


「………はるこちゃんって時々、俺より大人だよね」

「え?そうですか?」


「うん、普段はポヤーッとしてるのにちゃんとするとこではしっかりしてるよね」

「ポヤーッと………?」

あんまり褒められてないんじゃないっていう感じで黒須さんに感心されました。

まぁいいんですよ、周りの人からも「意外とシャキシャキしてるよね」って言われますから。


「でも、はるこちゃんの言う通りだよね。急いで口だけの人とっていうのもダメだよね」

「そうですよ、そりゃ年齢的には適齢期かと思いますが適齢期に結婚するのが幸せってわけじゃないし」

偉そうに言ってるけど私だって結婚したことありません。
私も自分を理解してくれる人じゃなかったりするかもしれないのに。
誰にだってあるかもしれないから偉そうには言えないけど。

「ま、気長に待つよ。これに関しちゃ縁だし」

「そうですねぇ」

黒須さんが少し体の向きを変えながら少しだけふふっと笑いました。

「……俺、今の生活が快適だから他の子で快適になれんのかな」

「え?」

「いや?何も」

そう言って、黒須さんが私の頭を撫でました。

それにやっぱり慣れない私はビクッとなりました。
まぁ丁度撫でやすい位置に頭があるんでしょうが。


「今日はありがとうね。助かったよ」

「え………や……いえ…………こちらこそありがとうございます……一杯もらっちゃって」

まだ頭をなでなでされてしまってすごいドキドキしてしまっていて、なんていうかちゃんと話せません。

だけど、私は可愛がられているんだろうなぁとよくわかりました。

大きな手がとっても暖かいです。


0
  • しおりをはさむ
  • 781
  • 420
/ 317ページ
このページを編集する