だから私は貴方に騙される 上




「ーーーー3択っていうのは、2つはさっき言ったウチに来るか野宿かね」

「はい」

大通りに入ったから信号が多くなってちょくちょく引っかかる。

「で、3つめが」

「……はい」

「援交してその金で泊まるとこ探すかだね」

「…………」

究極の3つを出されて、何も言えない。

所持金は残りわずか。友達の家に泊まりに行けたとしても帰りの交通費が払えるかも定かじゃない。お金を借りるわけにもいかないし………。

確実な方法っていったらこれしかない。

「………一応選択肢だけど消去法だから選択の余地はないよね」

「…………」

私にはなんの選択肢さえないことを言われて、グッと唇を噛み締める。
でも、それに逆らう必要ないくらい自分が無力だってこともちゃんとわかった。

だからすぐに自然と唇に与えられた力は抜けた。

「……………何も言うことはないです」

「あぁそれは俺の意見を飲んだってことでいいの?」

「……援交と何が起こるかわからない野宿は嫌ですから」

「俺は何かするかもしれないのに俺を選んだんか」

自分で提案しときながらこの口ぶり。

まぁ確かに安全性に欠けることくらいわかってる。
ただ、それは全部一緒。

「選んだわけじゃないです。消去法でそれしかなかったんですから」


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