だから私は貴方に騙される 上

あり得ない出会い /慣れてきた生活



黒須さんのお家に着て一か月と半月。

何となく家の周りも黒須さんの地図なくっても分かるようになりました。

そんな私は今日、

「さて、最近お洗濯出来てなかったからしなくっちゃ!」

夜勤明けで帰ってきて、3時間ほど寝て目覚ましで起きました。

本当は眠いけど、ぶっ通しで寝たら夜の10時くらいに起きちゃう。
昼夜逆転したらつぎ仕事に行くときがエライから起きました。

それと……。

「メチャクチャ洗濯物溜まってるし………」

昨日、洗濯しようと思ったけど、夜勤に行くため15時に家を出なきゃだから洗濯物取り込めんし。

一階に住んでるから夜にベランダに干したら危険だし……。
部屋干しは臭いが気になるし。
いや、何よりゆっくり洗濯をしたいから!

だって本当にいっぱいあるんですよ。

「黒須さん、洗濯物いっぱいですね…」

私が夜勤から帰ってきたらもうすでにお部屋で爆睡していた黒須さん。
久々にお家に帰ってきたから、その証拠に病院で着替えて、まだ洗濯していないものが洗濯機の横にあるのです。

「靴下…肌着に…………パンツ………バスタオルか」

何日分かのそれら。
むこうでシャワーを浴びたみたいで湿ったバスタオルの中に靴下に肌着、パンツが包んである。
それと行き帰りで着た私服のシャツとズボン。

「今回も結構泊まってたみたいだし、そりゃ多いか」

今、幸せそうに爆睡している黒須さん。
私も拘束時間18時間の夜勤でさえ、家に帰れば爆睡してしまうのに、黒須さんなんてその倍だもんなぁ。寝て当然。
だから、この洗濯物を見たら私は疲れたなんて言えないや。

しかも、フラフラの身体でこれだけの洗濯物を持って帰ってくるなんてなかなかヘビーだと思う。
車ならまだしも、電車だから徒歩の時間もあるわけで。

「バスタオル、水分吸ってるから余計重いし……」

洗濯機の中へ洗濯物を放り込む。

今まで黒須さんはこの洗濯物っていう地味に大変な作業を1人でしていたのか。

本当は睡眠に当てたいはずの時間を割いて。

洗剤と柔軟剤を入れて洗濯機の水量やら何やらを決めてスタート。

とりあえず、脱水までは洗濯機がしてくれるけどそこからは人の手。

「お医者さんって大変なお仕事だ」




0
  • しおりをはさむ
  • 775
  • 417
/ 316ページ
このページを編集する