イベリス

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日が傾く放課後。


校庭からは部活をしている生徒たちの声が聞こえてくる。


私は体育館裏で、ある人を待っていた。



「ごめんね、待った?」



よく通る声に、私は顔を上げる。


オレンジ色に染まった夕日に透ける、ダークブラウンの髪。


優しげな目元。


栗色の瞳に陰を作る長い睫毛。


綺麗な形をした唇。



端整な顔立ちを見上げながら、私は改めて綺麗な顔だと思った。



「ううん、来てくれてありがとう」



私は微笑みかける。

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