龍華

第一章 /歓迎会




尚のお母さんとの面談が終わり、尚と一緒に南刑務所を出ると、空はもう真っ暗だった。



「ありがとう、玲」


二人でバイクのところまで行き、メットを被ってバイクに乗ると、前から尚の声が聞こえた。



「え?何が?」


「着いてきてくれて。
玲がいなかったら俺、自分の気持ち伝えられなかったから。」



「そんな事ないよ。
自分の気持ちが言えたのは尚の意思が強かったから。

あたしは何もしてない。」


これは、尚と尚のお母さんが強かったから。







あたしは……今も自分の事でいっぱいいっぱい。

未だに過去に囚われていて、後ろめいてる。




そんなあたしが他の人に何か出来るわけない。



尚のお腹に腕を回して掴まると、バイクは動き出した。

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