HEAVEN'S KISS Ⅰ【完】

「美緒」


俯いていると、昴がふいにあたしを呼んだ。


その真剣な声に驚いて顔を上げると、悪戯な瞳が見下ろしていた。


「お前の彼氏がこのオレってことを、バカ男共に知らしめないとな」


鼻でフフンッと笑う昴に、


「……」


なんだか気が抜けたあたしは、差し出されていた手を取った。


「…良かった」

「え?」

「…藤崎にバレるのが嫌なのかと思った…」


嬉しそうに握り返してきた昴が、小声でボソッと呟いた。

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