HEAVEN'S KISS Ⅰ【完】

BreakKiss /昴side


「藤崎!」


保健室から出てきたその後ろ姿を呼び止めた。


「…なんだよ」


振り返った藤崎は、敵意のこもった視線を向けてきた。


この瞳(め)を見るのは2度目だ。


いつもはクールな藤崎の、感情的な瞳。


「美緒は…」


つい怯んで言い淀むオレに、


「ただの寝不足」


藤崎はそう吐き捨て、そのまま踵(きびす)を返し行こうとする。


「お前…美緒の…っ」


藤崎の美緒に対する想いを勘ぐるあまり、


呼び止めたオレはついそんな事を口走っていた。


「本命はそっちだろ?」


短い笑いを零し呆れたように言う藤崎は、噂されていることを知っているようだった。


だけど…


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