HEAVEN'S KISS Ⅰ【完】

言葉を失うあたしに、昴くんが自嘲的な笑みを浮かべながら口を開いた。


「お前の望み通りになったよ」

「え…?」

「美緒がいなくなった」

「美緒さんが…」


だから…こんな瞳(め)を…


「美緒を傷つけたかったんだろ?」

「……!」



“この人の前でキスして”



そう言うと、あの綺麗な人は悲しそうに表情(かお)を歪めた。


昴くんの大事なあのひと。


昴くんをここまで傷つけられるひと。


あたしはずっとずっと、羨ましくて仕方がなかった。


妬ましかった。

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