HEAVEN'S KISS Ⅰ【完】

「美緒は親父のとこだ」

「ボストンに…」

「あぁ。もう戻ってこねぇと思うから、お前が行けよ」

「……」

「今はやれねぇけどな」

「……」

「本気なら貫け」


最後にニヤッと笑った藤崎は、リビングのドアに手を掛けた。


「藤崎!」


オレは、出て行きかける背中を呼び止めた。

「あ?」

「ありがとな」

「…あぁ」


藤崎は短い返事をして後ろ手をヒラヒラさせると、


今度こそ部屋を出て行った。


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