LOVE&BEAT

RAIN /玲beats

仕事から帰って、部屋の前で足を止めた。



このドアの向こうに、もう里緒はいない。



今頃、巧希の隣で幸せそうに笑ってるんやな。



これで良かったんやと、自分に言い聞かせながら部屋に入ると…



「…なんで?」



玄関に並べられた華奢なミュール。



それは昨日、里緒が履いてたもの。



信じられんくて、ボーッと見下ろしていると、



廊下の向こうから聞こえて来た「キャー!」という声に、
靴を脱ぎ捨て、リビングへ続くドアを開けた。



今朝出て行った時と何も変わっていない、殺風景な部屋。




そして…いるはずのない―…

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