LOVE&BEAT

HERO /巧希beats

ハンドルに肘を乗せ、助手席の窓から制服の後ろ姿をオレはボンヤリと見つめていた。


背中まで伸びた長い髪が、歩くたびに風にフワフワと揺れている。


5つ下の里緒は、いつまでもガキだ。


どこで覚えてきたのか、“キスして”とオレにねだる甘ったるい声も。


唇を離した後、赤く染まった頬を隠すように俯く横顔も。


ふと、ダッシュボードの上に置いた携帯が邪魔な音を響かせた。


「はい。…起きてるって。今向かうとこ」


マネージャーとの短い会話を済ませ、さっさと切る。


小さな背中が校舎の中に消えたのを見届け、オレはエンジンをかけた。

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