LOVE&BEAT

HERO /巧希beats

ハンドルに肘を乗せ、
助手席の窓から、華奢な後ろ姿を見つめていた。



背中までの髪が、歩くたびに風に揺れている。



4つ下の里緒は、いつまでもガキだ。



どこで覚えてきたのか、“キスして”とねだる声。



唇を離した後、赤く染まった頬を隠すように俯く横顔。



そんなことを無防備にやるから、幼馴染の俺でさえ…
たまに焦る。



ふいに、ダッシュボードの上に置いた携帯が鳴った。



「はい。…起きてるって。今向かうとこ」



マネージャーとの短い会話を済ませ、さっさと切る。



小さな背中が建物の中へ消えたのを見届け、
車のエンジンをかけた。


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