LOVE&BEAT

CAGE /里緒loves


「入れてくれないの?」


その声にハッと我に返り、「ごめん…」と慌ててドアを大きく開いた。


「ありがと」


スーツケースを引きながら横をすり抜けたお姉ちゃんは、荷物をソファの傍らに置き、


「出張で来たの。上司のお供」


リビングの入口で突っ立ったままのあたしを振り返って、そう言った。


「久し振りね」


柔らかく微笑むお姉ちゃんから、「…そうだね」と視線を逸らした。


そんなあたしの態度なんて気にも留めてなくて、


「これお土産。あとママから預かってきたものとか」


スーツケースから取り出した袋やら箱をテーブルに並べ始めるお姉ちゃんの横顔を見ながら、最後に会った時よりもまた綺麗になったと感じた。


どんなにあたしが頑張っても、やっぱり追いつけない。


ついさっきまでの嬉しい気持ちやドキドキが消えていくのを感じた。

  • しおりをはさむ
  • 1192
  • 983
/ 698ページ
このページを編集する