LOVE&BEAT

CAGE /里緒loves


駅のロータリーでグルッと回ったタクシーが、道の端にゆっくりと停車した。


「ここでいいのか?」


隣から顔を覗き込んでくる玲に頷き、


「送ってくれてありがとう。じゃあ…」


そう言ってドアに手を掛けると、


「やっぱり家まで行く」


後ろから聞こえてきた声に驚いて振り返ると、反対側のドアから降りようとしている背中が見えたので、「大丈夫!ホントに近くだから」と慌てて袖を掴んで止めた。


それでもまだ納得いかない顔をしている玲は、意外と心配性らしい。


オレ様のくせに…なんて、心の中でこっそり笑っていると、


「え…キャ…ッ」


いきなり引き寄せられ、気付くと蜂蜜色の瞳が目の前にあった。

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